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Vegan Ramen UZU Kyoto

2020.04.03(金)京都

京都市の飲食店「Vegan Ramen UZU Kyoto」の店舗設計を担当。 店舗のある京都の伝統行事屏風祭(祗園祭)では一部の旧家や商店では伝来の屏風等の家宝を通りから観えるように展示する。Vegan Ramen UZU Kyotoの店舗においては、店内展示作品「反転無分別 - Black in White / Reversible Rotation - Black in White」を、通りからも見えるように設計した。 京都には伝統行事、屏風祭(祗園祭)という祭りがある。その祭りの際には、一部の旧家や商店で、伝来の屏風等の家宝を通りから観えるように展示するという習慣があり、普段、観ることができない家宝を通りから鑑賞することができる。そのため、屏風祭(祗園祭)を訪れると、通りが美術館のようになる時間を体験できる。 個人所有の美術品を誰もが鑑賞できる状態にするその習慣は、個人で所有しながらも、同時に、街全体で所有するということを意味する。その祭りに訪れると、京都という街の、美術品と人の関係性や、人が街においてどうあるべきか、を考えさせられる気がする。 本店舗、Vegan Ramen UZU Kyotoは、Uber eatsなどデリバリーを利用することを踏まえた店舗である。この場所から、京都の街全体へとデリバリーを行うことで、街全体が食事スペースとなりえる。そうした情報社会以降の飲食業態を考えて、店舗にはデリバリー用のキッチン、及びキッチンに付随した店舗内の飲食スペースを設計した。ファサードにはUber eats用の窓と、店舗内飲食スペースへと続く杉木の長い路地のみを配置した。その路地の先には、「反転無分別 - Black in White / Reversible Rotation - Black in White」が展示されており、街の通りから作品が観えるようになっている。 店舗内の飲食スペースは、路地の先にある壁に展示された作品を取り囲むように、両端に各8席ずつ全16席の、黒く磨かれたテーブルが配置してある。そのため、客人は、壁だけでなく、テーブルにも映り込んだ作品に包まれながら、ヴィーガン料理を食べることができる。 照明計画としては、人がいない席の光をなくし、暗闇の中に作品のみが存在する計画とした。着席すると同時に着席者のみの明かりが点くことで、作品空間から食のテーブルへと変化する。 店内には、なにもない。ただ、1つの作品があるだけである。 人は孤立しては生きていけない。街とつながることで、食すこと、さらには生きること(生命)と向き合えるような空間になることを願ってつくった。
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Vegan Ramen UZU Kyoto

2020.04.03(金)

京都

京都市の飲食店「Vegan Ramen UZU Kyoto」の店舗設計を担当。 店舗のある京都の伝統行事屏風祭(祗園祭)では一部の旧家や商店では伝来の屏風等の家宝を通りから観えるように展示する。Vegan Ramen UZU Kyotoの店舗においては、店内展示作品「反転無分別 - Black in White / Reversible Rotation - Black in White」を、通りからも見えるように設計した。 京都には伝統行事、屏風祭(祗園祭)という祭りがある。その祭りの際には、一部の旧家や商店で、伝来の屏風等の家宝を通りから観えるように展示するという習慣があり、普段、観ることができない家宝を通りから鑑賞することができる。そのため、屏風祭(祗園祭)を訪れると、通りが美術館のようになる時間を体験できる。 個人所有の美術品を誰もが鑑賞できる状態にするその習慣は、個人で所有しながらも、同時に、街全体で所有するということを意味する。その祭りに訪れると、京都という街の、美術品と人の関係性や、人が街においてどうあるべきか、を考えさせられる気がする。 本店舗、Vegan Ramen UZU Kyotoは、Uber eatsなどデリバリーを利用することを踏まえた店舗である。この場所から、京都の街全体へとデリバリーを行うことで、街全体が食事スペースとなりえる。そうした情報社会以降の飲食業態を考えて、店舗にはデリバリー用のキッチン、及びキッチンに付随した店舗内の飲食スペースを設計した。ファサードにはUber eats用の窓と、店舗内飲食スペースへと続く杉木の長い路地のみを配置した。その路地の先には、「反転無分別 - Black in White / Reversible Rotation - Black in White」が展示されており、街の通りから作品が観えるようになっている。 店舗内の飲食スペースは、路地の先にある壁に展示された作品を取り囲むように、両端に各8席ずつ全16席の、黒く磨かれたテーブルが配置してある。そのため、客人は、壁だけでなく、テーブルにも映り込んだ作品に包まれながら、ヴィーガン料理を食べることができる。 照明計画としては、人がいない席の光をなくし、暗闇の中に作品のみが存在する計画とした。着席すると同時に着席者のみの明かりが点くことで、作品空間から食のテーブルへと変化する。 店内には、なにもない。ただ、1つの作品があるだけである。 人は孤立しては生きていけない。街とつながることで、食すこと、さらには生きること(生命)と向き合えるような空間になることを願ってつくった。

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チームラボアーキテクツ デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団。 河田将吾(KAWATA Shogo) デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団チームラボアーキテクツの代表。
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