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KidsLabo Ballpark Nursery

2023.2.10(金)キッズラボ ボールパークこども園, 北広島市, 北海道

キッズラボ ボールパークこども園

私たちは今回北海道エスコンフィールドの計画に伴い、ボールパーク内に子ども園を設ける計画の上で設計を行いました。 今まで設計した子ども園の趣旨を引き継ぎながら、さらに発展させるためにさまざまな手法を取り入れました。 また、この地に根ざした建築となるように、特徴的な地形をもつ敷地を生かし設計しました。 情報社会のための幼児教育の場 情報社会となり働き方は変化し続けています。 幼児教育の場所である園舎でも、情報社会に必要な能力が養えることが必要だと考えています。 言葉でルールを作らなくても建築そのものが教材となり、情報社会で必要なマインドが自然と身につく園舎を、情報社会に必要な3つのテーマで考えました。 1. 共創する力 社会では異なるスキルの人たちと共創する力が必要になります。 今回の園舎では内部と外庭の中間のような内庭という空間を設け、すべての年齢の教室は内庭を囲むように配置しています。外庭と内庭と内部で遊んでいるそれぞれの子どもたちが互いに見えることで、別々のことをしながらも気になれば別の場所に行き遊ぶことができ、自然と共創が生まれるようにしました。 2. 空間把握能力 情報社会で必要な能力として、空間把握能力というものがあります。 空間把握能力は、アートやデザインといった言葉にできないものをつくり出すことに役立つとされており、空間把握能力を養う方法として、立体的な場所や視覚で把握しづらい場所で身体と脳を同時に使いながら、遊んだり、生活したりすることが挙げられます。 そこで起伏のある地形を利用し、内部外部ともに起伏がある園としました。 外の地形と内部の起伏は連動するようにつくられており、内部と外部の環境が繋がるようにすることで、内外を行き来しながら遊ぶことができます。 また、多角形空間に色や形を使い、パースペクティブで把握しづらい空間にしています。 3. 多様性を受け入れる力 園舎は、なるべく直角のない自由な多角形の空間を組み合わせました。 多角形の空間にはわかりやすい中心がなく、空間の中にいろいろな場所ができるため、自然と別々のことをしながらも共に同じ空間を共有することができます。 建築外観も内観も同じ色は使わず、バラバラな色、形とすることで、多様性を肯定する園舎を目指しました。 最後に、園舎にはツノが生えています。このツノは冬に雪が屋根に積もっても雪面から飛び出し、日照時間が短い北海道でも室内に光を届ける特別な窓になっています。この園を卒業した子どもたちが大きくなったとき、ツノのある園舎を思い出してくれたらと思っています。
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2023.2.10(金)

キッズラボ ボールパークこども園, 北広島市, 北海道

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私たちは今回北海道エスコンフィールドの計画に伴い、ボールパーク内に子ども園を設ける計画の上で設計を行いました。 今まで設計した子ども園の趣旨を引き継ぎながら、さらに発展させるためにさまざまな手法を取り入れました。 また、この地に根ざした建築となるように、特徴的な地形をもつ敷地を生かし設計しました。 情報社会のための幼児教育の場 情報社会となり働き方は変化し続けています。 幼児教育の場所である園舎でも、情報社会に必要な能力が養えることが必要だと考えています。 言葉でルールを作らなくても建築そのものが教材となり、情報社会で必要なマインドが自然と身につく園舎を、情報社会に必要な3つのテーマで考えました。 1. 共創する力 社会では異なるスキルの人たちと共創する力が必要になります。 今回の園舎では内部と外庭の中間のような内庭という空間を設け、すべての年齢の教室は内庭を囲むように配置しています。外庭と内庭と内部で遊んでいるそれぞれの子どもたちが互いに見えることで、別々のことをしながらも気になれば別の場所に行き遊ぶことができ、自然と共創が生まれるようにしました。 2. 空間把握能力 情報社会で必要な能力として、空間把握能力というものがあります。 空間把握能力は、アートやデザインといった言葉にできないものをつくり出すことに役立つとされており、空間把握能力を養う方法として、立体的な場所や視覚で把握しづらい場所で身体と脳を同時に使いながら、遊んだり、生活したりすることが挙げられます。 そこで起伏のある地形を利用し、内部外部ともに起伏がある園としました。 外の地形と内部の起伏は連動するようにつくられており、内部と外部の環境が繋がるようにすることで、内外を行き来しながら遊ぶことができます。 また、多角形空間に色や形を使い、パースペクティブで把握しづらい空間にしています。 3. 多様性を受け入れる力 園舎は、なるべく直角のない自由な多角形の空間を組み合わせました。 多角形の空間にはわかりやすい中心がなく、空間の中にいろいろな場所ができるため、自然と別々のことをしながらも共に同じ空間を共有することができます。 建築外観も内観も同じ色は使わず、バラバラな色、形とすることで、多様性を肯定する園舎を目指しました。 最後に、園舎にはツノが生えています。このツノは冬に雪が屋根に積もっても雪面から飛び出し、日照時間が短い北海道でも室内に光を届ける特別な窓になっています。この園を卒業した子どもたちが大きくなったとき、ツノのある園舎を思い出してくれたらと思っています。

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チームラボアーキテクツ デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団。 河田将吾(KAWATA Shogo) デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団チームラボアーキテクツの代表。
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