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KidsLabo Minami-Nagareyama Nursery

2021.03.16(火)キッズラボ南流山園, 流山市, 千葉県

■情報社会のための幼児教育の場 情報社会となり働き方は劇的に変化し続けています。情報社会以前のように、働き始めてから定年まで同じ仕事・同じ職業をし続けるというより、職能を変化させながら、異なる職能の人々と共同で何かを実現(共創)する必要性があります。 そういった時代の中で、幼児期から多様性を肯定し、多様な人々と共に過ごす体験ができる場所が必要だと考えます。 また、情報社会で必要な能力のひとつとして、空間認識能力があります。例えば、複雑で立体的な森や山のように、視覚だけでは空間全体を把握するのが難しい身体が不安定な場所で、身体と脳を同時に使うと鍛えられると言われています。 空間とは、その場所にいる人々に変化を与えることができる場所です。 多様性を肯定する空間であれば、人々は多様性を肯定するようになり、不安定な場所で身体を動かしたくなる空間をつくれば、おのずと空間認識能力が鍛えられます。 保育園を通じて、情報社会で必要な経験を積むことで、子供たちが情報社会で必要なマインドを持つきっかけになることを願います。 <キッズラボ南流山園の設計コンセプト> 1. バラバラなのに、共にいる空間 一緒にいながら、それぞれの活動がある、自立した多角形の空間。 情報社会では異なるスキルの人が同じ場所で共に考える必要があります。みな同じことをするのではなく、それぞれの個性を伸ばしながら、同じ空間を共有できることが必要です。多角形の空間にはわかりやすい中心がないので、空間にはいろいろな場所ができます。そのため、別々のことをしながらも同じ空間を共有できます。 2. あいまな環境・空間をシェアする 完全に外である外庭と、外と内の中間のような内庭があります。 外庭で遊んでいる時は、外庭と内庭をあいまいにしながら遊び、内庭で遊ぶ時は、室内とあいまいに遊びます。 内庭は室内の部屋と繋がっているので、お互いがよく見えます。内庭で遊んでる子供たちと、室内で遊んでいる子供たちは別々のことをしながら共に過ごし、気になれば、室内の子供が外にでて、他の子供と、時には年齢を超えて遊ぶことができます。内庭があることで、外と内があいまいな遊びをつくりだすのです。 3. 日常的に身体から考える 遊び場には平たい場所がほとんどなく、凸凹した地面や網でできた柔らかい網など、全身を使わないと遊べないような、立体的な空間になっています。 情報社会で必要な能力のひとつとして、空間認識能力があり、立体的な地面で脳と体を同時に使うことで鍛えられると言われています。 都市は、車輪の発明により道路が発展したため、平たい場所に溢れてしまっていますが、保育園という日常に立体的な場所を増やすことで、都市では得ることができない、情報社会で必要とされる空間認識能力を鍛えてほしいと考えています。 4. 自分でルールをつくる環境 園庭には、山、砂、水しかありません。 すべての環境には答えがないように、子供たちはこのシンプルな環境を前にして、皆で力を合わせて遊びを考え、ルールを作っていきます。 5. 違っていても、大丈夫 空間で使う色や形はなるべくバラバラにしています。 その場所ににいるだけで、「同じでなくても大丈夫だよ」ということが伝わるような、多様な個性を認め合える空間を目指しています。 6. 痕跡がのこる場所 遊びの痕跡が残るような場所をつくりました。 保育園の入口には砂場があります。子供が遊ぶと痕跡が残り、別の子供が遊ぶと、砂場はさらに変化していきます。夕方、親が迎えに来る頃には、砂場は、一日中遊んだ様々な子供たちの痕跡でいっぱいになります。 7. 保育園の顔 今回の保育園は、典型的な新興住宅地に建つ、同年代にデザインされたハウスメーカーの建物が大部分を占める中にあります。まわりの建物の建築形式と違和感のないものにするために、屋根は寄棟が集合したデザインを採用し、窓もまわりに融合するようなスケールで考えました。 寄棟屋根を、1つではなく、複数の屋根が集まったように設計したのは、ひとりで考えるのではなく、複数人で相談しながら考える姿を表現したいと思ったから。内庭を取り囲み、人が輪になって相談しているようなデザインにしました。 外壁には特徴的な窓をつけました。窓を出っぱらせることで、室内から外を見ると少しだけ不思議な世界が見えるようになっています。また屋根のでっぱりは天窓となり、室内にたっぷりの光を取り入れてくれます。
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2021.03.16(火)

キッズラボ南流山園, 流山市, 千葉県

■情報社会のための幼児教育の場 情報社会となり働き方は劇的に変化し続けています。情報社会以前のように、働き始めてから定年まで同じ仕事・同じ職業をし続けるというより、職能を変化させながら、異なる職能の人々と共同で何かを実現(共創)する必要性があります。 そういった時代の中で、幼児期から多様性を肯定し、多様な人々と共に過ごす体験ができる場所が必要だと考えます。 また、情報社会で必要な能力のひとつとして、空間認識能力があります。例えば、複雑で立体的な森や山のように、視覚だけでは空間全体を把握するのが難しい身体が不安定な場所で、身体と脳を同時に使うと鍛えられると言われています。 空間とは、その場所にいる人々に変化を与えることができる場所です。 多様性を肯定する空間であれば、人々は多様性を肯定するようになり、不安定な場所で身体を動かしたくなる空間をつくれば、おのずと空間認識能力が鍛えられます。 保育園を通じて、情報社会で必要な経験を積むことで、子供たちが情報社会で必要なマインドを持つきっかけになることを願います。 <キッズラボ南流山園の設計コンセプト> 1. バラバラなのに、共にいる空間 一緒にいながら、それぞれの活動がある、自立した多角形の空間。 情報社会では異なるスキルの人が同じ場所で共に考える必要があります。みな同じことをするのではなく、それぞれの個性を伸ばしながら、同じ空間を共有できることが必要です。多角形の空間にはわかりやすい中心がないので、空間にはいろいろな場所ができます。そのため、別々のことをしながらも同じ空間を共有できます。 2. あいまな環境・空間をシェアする 完全に外である外庭と、外と内の中間のような内庭があります。 外庭で遊んでいる時は、外庭と内庭をあいまいにしながら遊び、内庭で遊ぶ時は、室内とあいまいに遊びます。 内庭は室内の部屋と繋がっているので、お互いがよく見えます。内庭で遊んでる子供たちと、室内で遊んでいる子供たちは別々のことをしながら共に過ごし、気になれば、室内の子供が外にでて、他の子供と、時には年齢を超えて遊ぶことができます。内庭があることで、外と内があいまいな遊びをつくりだすのです。 3. 日常的に身体から考える 遊び場には平たい場所がほとんどなく、凸凹した地面や網でできた柔らかい網など、全身を使わないと遊べないような、立体的な空間になっています。 情報社会で必要な能力のひとつとして、空間認識能力があり、立体的な地面で脳と体を同時に使うことで鍛えられると言われています。 都市は、車輪の発明により道路が発展したため、平たい場所に溢れてしまっていますが、保育園という日常に立体的な場所を増やすことで、都市では得ることができない、情報社会で必要とされる空間認識能力を鍛えてほしいと考えています。 4. 自分でルールをつくる環境 園庭には、山、砂、水しかありません。 すべての環境には答えがないように、子供たちはこのシンプルな環境を前にして、皆で力を合わせて遊びを考え、ルールを作っていきます。 5. 違っていても、大丈夫 空間で使う色や形はなるべくバラバラにしています。 その場所ににいるだけで、「同じでなくても大丈夫だよ」ということが伝わるような、多様な個性を認め合える空間を目指しています。 6. 痕跡がのこる場所 遊びの痕跡が残るような場所をつくりました。 保育園の入口には砂場があります。子供が遊ぶと痕跡が残り、別の子供が遊ぶと、砂場はさらに変化していきます。夕方、親が迎えに来る頃には、砂場は、一日中遊んだ様々な子供たちの痕跡でいっぱいになります。 7. 保育園の顔 今回の保育園は、典型的な新興住宅地に建つ、同年代にデザインされたハウスメーカーの建物が大部分を占める中にあります。まわりの建物の建築形式と違和感のないものにするために、屋根は寄棟が集合したデザインを採用し、窓もまわりに融合するようなスケールで考えました。 寄棟屋根を、1つではなく、複数の屋根が集まったように設計したのは、ひとりで考えるのではなく、複数人で相談しながら考える姿を表現したいと思ったから。内庭を取り囲み、人が輪になって相談しているようなデザインにしました。 外壁には特徴的な窓をつけました。窓を出っぱらせることで、室内から外を見ると少しだけ不思議な世界が見えるようになっています。また屋根のでっぱりは天窓となり、室内にたっぷりの光を取り入れてくれます。

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チームラボアーキテクツ デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団。 河田将吾(KAWATA Shogo) デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団チームラボアーキテクツの代表。
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